大好きなひとがもっと輝くために。

『楽しくて仕方ないから辞められない』

I/O パンフレットインタビュー 八乙女光くん

自分メモ用

思い返すと、この10年は本当に濃厚でした。ただ、感慨よりも、これから新たに何かを生み出していけるのかなという、再スタートの気持ちの方が強いかな。昨年あたりから、「10年の節目よりも、その先の11年目、12年目が大事だよね」って、メンバーとも話しているんだよね。そうやって先を見ながらも、このアニバーサリーイヤーをファンの皆さんと華やかに過ごしたいなと思っています。

今回のセットリストはシングルが満載で、それこそ初期のJUMPがやっていたライブの豪華版になるイメージかな。でも、10年間の集大成ではなく、振り付けもフォーメーションも新しいものに挑戦していきたいなと思っています。9人がそろうダンスが自分たちの武器なので、年々、ダンスの量が増えてきていて。きっと、今回も昨年より踊るんじゃないかなと思います(笑)。そしてライブのコンセプトは薮の案。今まで蓄えてきたものをひっくり返して、ブワーッと放出していくイメージを砂時計に重ねることで「Input」「Output」というテーマを表現したいなって。今回、僕が提案したのはバンドコーナーの選曲かな。あと、全員で詩を書いた新曲『H.our Time』も披露できたらと思っているので、楽しみにしていてください。

『Ultra Music Power』をリリースしたときは、10年を考えるどころか、デビューの実感すらなかったんです。僕は山下(智久)くんといのちゃんとKittyという限定グループでCDを出したこともあったから、「今回も限定グループなのかな」と予防線を張っていたくらいで。メンバーも山田は知念はものすごく後輩だったので、彼らと同じグループになることに、正直、違和感はあったかな。「やっと俺たちデビューしているんだな」って実感したのは.シングルが2枚目、3枚目と続いた頃。そのときには「このグループでやっていくんだな」と腹をくくって、経験値的にも「薮と俺が引っ張っていかないと」って思うようになっていました。デビュー当時は、誰かがミスをしたら、薮と僕が「おまえたちの責任だぞ」って真っ先に怒られていて。2人ともマジメだから理不尽だと思わず、素直に反省して「気をつけようね」って伝えていましたね。今思うと、17歳のわりに結構な責任を背負っていたんだなって思う(笑)。でも、下のコたちはめちゃくちゃ小さかったから、仕方ない。知念なんてひざの上に乗ってくるくらい幼くて。かわいいなと思いつつも、いい意味でも悪い意味でも未知だからMCになると何を言いだすかわからない怖さもあったな。あの頃とにかく大切にしていたのは、メンバーを信じること。それに、せっかくやるなら楽しくやりたいと思っていたので、年下のメンバーたちと距離を縮めようと努力していましたね。

グループのターニングポイントは2008年の『SUMMARY』かな。JUMP全員が舞台の座長というか…1人1人にに見せ場や、やらなきゃいけないことがあったという意味で大きな仕事だった。サーカスみたいな演目だったから、失敗したらシラけてしまう怖さもある。だから、必死に練習しましたね。それなのに…初日に大失敗してしまった。オープニング映像が流れないというアクシデントで完全にパニクって、そこからは負の連鎖。「この舞台は終わらないんじゃないか?」というくらい失敗の連続でした。エンディングの最中に、その日の失敗が走馬灯のように頭の中を駆けめぐって、悔しくて、情けなくて。お客さんの前で、みんなで泣いちゃったんです。僕らが大切にしている「臨機応変に」っていう言葉は、あのときの経験から得た教官でもあるんですよね。

個人的には『殺風景』という舞台がターニングポイント。芝居についてあんなに毎日悩んだ数ヶ月はなかったし、舞台に立つのがすごく怖かった。でも、その経験のおかげで、バラエティーでちょっとスベりそうだな、このコメントを言ってもウケなさそうだなって思っても、"言う"勇気と強さを手に入れました(笑)。むしろ、バラエティって全然怖くないし、楽しい場所。楽しんだ者勝ちだと思えるようになったんです。ただ、『殺風景』で舞台の面白さを知ってしまったあと、実はちょっと悩んだ時期があって。芝居願望を持ったほうがいいのか、バラエティーに転がっていったほうがいいのか、一瞬わからなくなったんですよね。今思うと、あの頃のロケは、自分的にはフワフワして中途半端だった…。でも、あるとき、ロケがすごく楽しくて手応えがあったんです。その日、家に帰って「俺はバラエティおじさんになろう!」と決心しました(笑)。将来、どういうおじさんになりたいかを考えたとき、芝居、作詞・作曲、楽器、バラエティといろいろやりたいことが浮かんだんだけど、とりあえず"バラエティおじさん"というゴールを決めることで楽になれたんです。だから、今の自分の軸足はバラエティ。と言いながら、久々に『孤食ロボット』で芝居をしたら、やっぱり役を演じる作業が楽しくて「芝居やりたいな」って欲がわいちゃってます。

グループの一員として意識していることは、率先して盛り上がること。そこはずっと変わらないかな。現場が楽しくなればいいなって思うし、無理をしているわけじゃなく、盛り上げるのが好きだからやっているだけ。だから、しんどいときもメンバーの前では辛い顔を見せないようにしています。やっぱりメンバーが1人でもため息をつくと、負のムードって広がるから、常に明るく振る舞おうって。逆に、機嫌のいいメンバーから、いい空気をもらうこともある。気分を上げ合えるのが、グループのよさですよね。そんなことを言いながら、昔は尖っていたので、空気を悪くしていたこともあったと思う。メンバーにダメ出しや注意をするときの言い方がキツかったし、「絶対にバカとは言わせない」と言う雰囲気も出ていたし。それがいつの間にか「丸くなったね」て言われることが増えましたね。今はおバカ扱いされてもヘラヘラしてる(笑)。昔は多分早くカッコいいグループになりたいというあせりから、ほかの人への言い方がキツくなってしまったんだと思う。それでいて、「楽しくやりたい」「率先して盛り上げたい」とか言ってるんだから、我ながらめちゃくちゃだなって。きっと、デビューってそれくらい、人を麻痺させる出来事なんだと思います。実際、デビュー前よりもデビュー後のほうが困難は多かった。バラエティで爪あとを残さないときは、みんなで絵に描いたようにショボーンとして「もう仕事こない」ってへこんだし、最初の頃は仕事が少なかったから失敗するたびにあせっていたし。でも、なんとか切り替えて、目の前の仕事を1つ1つがむしゃらに、丁寧にやってきたから、ここまでこられたんじゃないかなと思っています。

何よりも1回1回のライブを丁寧にやってきたという自負はあります。お客さんはお金を払って見にきてくださるわけだから、その対価に見合うもの…いや、「もっとお金を出してもいい」と思われるくらいの見せものにしないと、また見にきてもらえない。それくらいの緊張感と責任感を持って1つ1つのライブに取り組んでいるから、おのずとメンバーの連帯感と絆が強まるんだと思います。意識が変わったのは、あるときメンバーの誰かがポロッと言った、「お客さんって、お金を払って見にきているんだよね」っていうひと言。ドキッとしたんですよ。僕らは何回もやるけれど、お客さんにとっては1度きりのライブだから、その1回を最高の思い出にしてあげたい。だから「初回だから失敗してもいいや、だんだ調整していいものにしていけばいいや」という考え方はJUMPにはないですね。初回から誰に見られてもいいようなクオリティを目指す。JUMPはライブで育ってきたという自覚があるので、今回のライブでもまだまだいろんなことができるグループだという部分も見せていきたいなと思っています。

 

 

to fan...

Hey!Say!JUMPが10年続けてこられたのは、ファンのみんながいたから。本当に感謝していますし、皆さんは僕らを支えてくれている大切な存在です。ライブで聞こえてくるJUMPコールも、ステージから見える景色も毎回最高で…。よく薮が「この景色をファンのみんなにも見せてあげたい」って言うけど、僕も本当に同じ気持ち。ライブ中に体力的につらくなってきたときも、お客さんの笑顔見ると不思議とフッと体が軽くなって元気になれるんだよね。みんなの笑顔は僕らにとってパワーの源であり、仕事を頑張る原動力なんです。"バラエティおじさん"のくだらない話でいつももらってくれてありがたいし、お芝居を見てくれて僕みたいなもんに興味を示してくれることも本当にありがたい。あらたまったメッセージを言うのは恥ずかしいけど…ファンのみんなとは、ずっとお互いに何かを与え合う関係でありたいな。皆さんには、これからも僕らを見て「キャー!」って興奮して、いっぱい汗をかいて、デトックスしてもらいたい。「JUMPっていいグループなんだよ」って周りに自慢できるようなグループになっていきたいと思っているので、皆さんからは僕らに笑顔をください!