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『楽しくて仕方ないから辞められない』

10000字ロングインタビュー 八乙女光

気づいたら、

メンバーに支えてもらってた…。

支えてくれてありがとう!

 

Hey!Say!JUMP編7人目は八乙女光

これまでメンバーにグループ内の関係性の変化について尋ねてきたが、みんな口々に「昔は八乙女が怖かった」、「今はイジられるようになった」と話していた。

事前にTwitterで募集した質問でも、現在の八乙女のキャラクターについて心配する声が多数。

実際のところ八乙女自身はどう思っているのだろう?

9月24日のJUMP結成翌日に行われた今回のインタビュー。

記念すべきタイミングで、メンバーとファンへの本音を語る!

 

 

 

 

 

ファンの心を癒すサプリメントでありたい

 


-記念日の翌日に話を聞けるなんて、うれしいな。

「ありがとうございます。昨日で結成10年だったんで、やっぱり、いろんなことを考えたり、思い出しましたね」

 

 


-たとえば、どんなこと?

「うーん、なんだろう。自分としてはグループとしてもっと大きくなってたかったなって想いがあって。いろんな先輩の10周年を見てきてるんで。でも同時に、このメンバーで10周年を迎えられて幸せだなとも感じましたね」

 



-グループが結成されたときのことって覚えてる?

「はい。初めて集められたとき、メンバーを見渡して"大丈夫か!?"って不安で。だけどなんか、曲でもそうなんだけど、デモテープの時点でピンとこなかった曲が、完成したら名曲になってたりするんですよ。それに似た予感、こんなメンバーが集まったグループだけど、必ずいいグループになるって感じて。その予感は間違ってなかった」

 


-集まったメンバーは、経歴も個性もバラバラだったよね。

「たしかにキャリアはバラバラだし、(岡本)圭人なんか最初は何もできなくて。でも、それも楽しいなって。これだけ人数がいるんだから、それすら個性だし。それにダンスを教えたりするときって、自分に言い聞かせてる部分もあるから初心に返れるしね。いいことでもあったんだよ。でも10年って考えると、知念(侑李)や(中島)裕翔は、ホントに大人になったなって思う。最初、俺のヒザの上に座ってたりしてたんだよ。信じられる!?」

 


-すごいよね、10年って。

「うん。昨日はファンのことも改めて想ってさ。10年って歳月を俺たちは走り続けた。それを追いかけてくれるファンも大変だっただろうなって。その人には、その人の人生があるから。なんか尊敬しちゃうというか、これからも喜んでもらえるよう、成長と変化を止めちゃいけないって」

 

-光くんはMCでよく、「JUMPはみなさんを世界一幸せなファンにしたいと思います」って言うよね。

「それはずっと思ってる。僕たちの曲を聴いたり、テレビで見かけたら"1日、がんばろう!"って思えたり、疲れちゃったとき少しでも安らぐ存在でいられたらって。ファンの心癒す人生のサプリメントみたいな存在になりたいんだよね」

 

 


-最初に謝らなきゃいけないんだけど、先月号の中島くんのインタビューで、2014年のコンサートのとき、中島くんは「山田(涼介)の方へ行けって光くんに合図してもらった」って言ったのに、「薮(宏太)くんに合図してもらった」って間違えて書いてしまって。本当にゴメン。

「そんなことしたかな!?あんま憶えてないっす。俺、バカだから記憶力よくないんで(笑)」

 

 
-ファンにも指摘されたんだよ。

「あー、じゃあまちがいないっすね。ファンは自分より僕のことを知ってるんで。なんていうか、俺が毎日がんばれる要因っていくつかあるんですけど、そのひとつはまちがいなくファンの存在で。本当に俺すら忘れてることまで全部、憶えててくれる。誰かの記憶に少しでも俺が残るなら、今日もがんばろうって思えるんだよね」

 

 


-中島くんに合図をしたこと本当に覚えてないの?

「まあ、俺ならやりそうかな(笑)。デビューしてすぐのころよくやってたんだけど、年も近いのに高木(雄也)が薮にすごい遠慮して壁を作ってて。だから高木の耳元でこそっと、"薮、少しは黙れよって言っちゃえ"とかささやいたりして。そういうのを何度か繰り返して、すこしずつ壁をなくして」

 

 

-でも同時に嫌われ役も買って出たよね。

「買って出たっていうよりは、なんか当時は自分もあせってたしね。叱り役を、"よし俺が!"っていうよりは、とにかく急かさなきゃって感じだったかな。デビューしたあせりみたいなものが、つねにあったから」

 

 


-メンバーの誰かの失敗も、最初は薮くんと光くんが代表して怒られてたんでしょ?

「そうだね。悔しい気持ちもあったけど、そこは飲み込んだよね。怒られたあと、薮と"今のことメンバーにどう伝えよう"って話し合って。薮はあんまりキツめに言うキャラでもないから、俺がガッていう役にまわって」

 

 


-キラわれ役ってキツイよね?

「なんだろう。闇雲に怒ってたわけじゃなくて、事務所の人やスタッフさんに指摘された部分を叱ってたから。反論の余地がないというか。外からそう見えたんだもん、そこは絶対直すべき部分だよね。逆ギレするようなメンバーもいなかったっすよ。だって言い返してきたら、俺はそれ以上怒るだろうから(笑)」

 

 


-同時17才、ふつうはできないことだったと思うよ。来月、岡本くんに直接聞くけど、光くんがどんな想いで叱ってたのか真意が伝わってるといいね。

「伝わってても、伝わってなくてもどっちでもいいよ。だって今の圭人は素敵だなって俺は思うもん。だから結果オーライです。」

 

 

-8月のJUMPaperでは、ファンのマナーについて書いてたけど、ファンにキラわれる可能性があっても伝えるってすごいことだと思ったよ。

「うーん、やっぱり自分の目撃したことはファンにも伝えたいし……。ただ、あの文章は、ファンとの約束だと思ってて。僕たちのことを信じてほしいから。たぶん、一部のファンはこれが最後、もう会えないって思うから熱くなりすぎちゃうんですよね。だからこれからも会える機会をがんばって増やすから、絶対また会いに来るからって、約束の意味を込めて書いたつもりです」

 

 

 

 

 



俺はメンバーに心を完全に開いている

-光くんのデビュー後の変化でいうと、最近イジられキャラになってるよね。あれ、本当はどう思ってるの?

「俺はねえ、ちょーうれしいよ。メンバーが俺に対して扉を開いてくれた感じがして。俺も心を完全に開いてる状態だし、全然楽しい」

 

 
-そう思うようになったのは?

「うーん、やっぱなんか、メンバーが個々の仕事が増えていって、それぞれのすぐれた部分がよく見えるようになってからかな。俺がメンバーのケツを叩いてたつもりがいつの間にか尊敬する対象に変わって。だって最初はMCでしゃべることをコンサート前に全部決めてたくらいだからね。今は自由にしゃべれるようになって。薮と俺がいちばんほっこりしてる部分だと思う」

 


-今年のコンサート、光くんあまりMCでしゃべってないよね?

「あー、そうかも。メンバーに任せられるから。きっちりした部分は山田と薮に任せて、おちゃらけた話とかは俺って思ってる部分はあるかな。やりたいようにやれてるよね」

 

 
-薮くん以外で光くんに最初にツッコんだのって誰?

「わかんないよ(笑)。でも『スクール革命!』とかなんだろうね。知念と山田が徐々にツッコんできて、それがメンバーにも広がっていって」

 

 

-おバカ扱いって、イラっとしたりすることはないの?

「ないない。みんなが笑うから俺も嬉しくなっちゃう。」

 

 

-イジラれてる光くんを見て、やきもきしてるファンもいると思うよ。

「ハハハハハハ。見えたまんまでいいんですよ。俺らって、どこに行っても楽屋のまんま。イヤならイヤって言ってるしね。そういう関係は築けてるから。俺が笑ってたら、それは本当に楽しいからだよ」

 

 


-じゃあ、友達いないキャラは?

「本当にまったくいないわけじゃないです(笑)。狭く深くなだけ。あと年上の人とごはんに行くことも多いけど、目上の人を友だちって呼ぶのは失礼かなって」

 

 

-年上の人のと会うことが多いんだ。

「うん、最近は特に。10代のころは同世代と遊ぶのが楽しかったけど、今は目上の人といると、いろいろ学べるから、そっちの方が楽しい」

 


-ジャニーズの先輩では、誰とごはんに行ったりする?

「まっすー(増田貴久)が多いです。おたかいのグループの話とかもするし、"ここがツラかったな"みたいな話も聞けたりして。あとは丸山(隆平)くんとも、連絡を取り合ったりするけど、ベースの話ばっかりですね。マニアックな話ばっかしてます(笑)」



 

 

 

 

 



同じ景色を見てきたから、話さなくてもわかる


-次に、メンバーの変化について教えて。まずは岡本くん。

「貪欲になったよ。俺と圭人のつながりでいうとバンドがいちばんデカくて。今はひとりで先にスタジオに入ってたりする。昔はそういうのなかったからね。本当、"僕、何したらいいんですか?"みたいな感じで、自分の意思で歩き出さないタイプだったから。振り付けだったり、与えられたものをひたすら黙々とやってた。今は"こうしてもいい?"って意見も出せる。仕事に対しての欲が出るのってステキなことだなって思うよ。」

 


-昔はよく叱ってたけど、今のふたりはどんな関係?

「うーん、なんだろう。いいなと思うバンドの曲をさりげなく圭人の横で流したりとかするんだよね。"何それ?"って聞いてきたら、内心"よっしゃー!"ってバンド名を教えて。この曲もオススメだよって教えながら、実はその曲の中に圭人に挑戦してほしいギターのテクニックが入ってたりする」

 
-なんかなりたてのカップルみたいだね。

「うん。カップル、カップル(笑)」

 

 


-知念くんは?

「変わったとこ、変わらないとこがあるかな。なんかね、昔から子犬みたいで、現場に行くと、まずメンバーのひとりひとりに話しかける。"ねえ、聞いてよ"って子犬が駆け回るみたいに楽屋中を駆け回ってそういうのはホント変わらない。でも、やるべきことをやるときの集中力は、すごい。特に変わったなって思ったのは「必殺仕事人」くらいからかな。仕事をして帰ってくると話す言葉や内容が大人になってた。昔から吸収力がすごいからね。」




-さすが天才肌だね。

「ただね、天才とか"知念ならできる"って言われるのは、本人にとっては相当なプレッシャーだったと思うんすよ。設定されるハードルが、初めからめちゃくちゃ高いから。失敗が許されないって状況で、ずっと"知念なら"って期待に応え続けてきた。見えないところで努力を本当にしているんだろうなって思う」

 

 



-次に中島くん。

「デビュー直前、JUMPで最初に集められたのとき、"お、裕翔もいるな"って思ったんだよね。ドラムはデビューしてから本格的に始めたのかな。練習熱心だったから、"あ、貫き通すタイプだ。伸びるんだろうな"って。今じゃ、俺が口ずさんだリズムを"こういうこと?"ってドラムでたたいたりする。知念は努力を見せないタイプで、裕翔は見えるとこでも見えないとこでも変わらず努力するタイプ。本当に貪欲だし正直。ピュアって言葉で片付けたくないけどピュアだなって思う。」

 


-じゃあ、中島くんと山田くんの以前の関係を、光くんはどう見てた?

「なんか俺は本当に仲が悪かったとは思ってないんだよね。語弊があるっていうか、あえて言葉にしたら"キライ"ってことかもしれないけど、憎んでるわけじゃなくて、お互いがライバル視して、その想いが強いっていうか。本当に仲悪かったら、俺がどうにかして仲直りさせてる。」

 


-そうなんだ。

「さっき高木を薮にけしかけた話をしたけど、そういうの好きだから。最近も後輩から"あいつとあいつ仲悪いんすよ"って言われて、そのふたりを含め10人くらいをご飯に連れてったの。で最後に、いきなりみんなの前で握手させて、おたがいに"好きだよ。これからもよろしく"って言わせた(笑)」

 

 


-じゃあ生真面目すぎた一面もあった中島くんの変化の理由ってなんだったと思う?

「それは9人いることの強みというか誰かしらのうしろ姿を見たり話を聞いて"あ、自分も頑張らなきゃ"、"変わらなきゃ"って思えたりするんだよね。"こういう仕事をやった。こういうことをした。何してたの?"って話すことが多いから。受ける刺激がメンバーの分だけ多いんだと思う。なんだろうね。俺がおバカキャラに変わったのと同じで彼の中の硬い殻が破れていったんじゃない」

 



-山田くんはどう?

「山田はねえ。昔は自ら孤独を選ぶようなとこがあった。ひとりで考え、ひとりで悩んで。きっと山田が見てきた世界って、山田以外にはわからなくて。センターに立ち続けるプレッシャーとか。自信がなくても、そんなそぶりは少しも見せずにやりきったこともあっただろうし。突っ走んなきゃいけない、グループを引っ張んなきゃいけない。それでいて自分が失敗したらジャンプの失敗みたいにとられてしまう。だからどこか孤独に映ってたのかもね。そんな山田が、この前の大阪でのコンサートのあとホテルの部屋にメンバー全員を呼んだんだよね。そんなこと10年で初めてだったからビックリした。みんな集まったらなんか修学旅行みたいなノリで。その日のライブ映像を流しっぱなしにして、みんなで見ながら話をして。山田はずーっとメンバーひとりひとりをホメてた。」

 

 


-ホメてた?

「うん。JUMP結成当初……違うな、デビューして5年くらいかな。山田はプライドも高く見えたし弱さを見せないのと同時に誰がをホメることもないみたいな感じで。そんな山田がすっげー嬉しそうな顔しながら、"俺ホンっト、人のことホメんのイヤだけどさ"って言いながら、メンバーひとりひとりをホメまくって。こんなくだけるようになったんだなって。"俺は、俺は?"って聞いたの。そしたら"ヒカはすごいよ。だってベース1本で何万人を盛り上げるんだよ!"って言われた。"あざーす!"みたいな(笑)。なんか不思議な感覚だったし、ある意味ホッとした」

 


-ホッとした?

「こんなこと言葉にしたことないけど、俺らは下に見られてんじゃないかって想いもどこかにあって。俺自身、思春期のとき、"チクショー、山田には上を行かれた"って思った時期があったしね。自分も芝居が好きなのに、山田の芝居の量だけドンドンドンドン増えてって。悔しいなって思ったときもあったから」

 

 


-そうだったんだ。

「そんな山田が、メンバー全員をホメてるってなんかいい光景でさ。まあ、俺は途中から飽きて全部は聞かなかったんだけど。俺もいろんなメンバーと話したかったし(笑)」

 

 

 


-じゃあ次に、有岡(大貴)くんの変化はどんな部分?

「だいちゃんかあ。グループ結成の時もそうだけど、『ヒルナンデス!』のときもそう。"大ちゃんがいればいける"みたいなこと思ったんだよね。Jr.の頃から仲良しだったし。仲よすぎてジャニーさんに"有岡は八乙女の金魚のフンだ"って言われたこともあって(笑)。親近感の塊というか、大ちゃんが愛されキャラだから、セブンとベストの架け橋になれたんだと思う。グループにとって掛け替えのない存在だよ」

 

 

-ホント、愛されキャラだよね。


「でも、おおらかで大雑把っぽくも見えてるかもしれないけど、じつは本番始まる直前まで"うーん"って緊張したり、悩んでるからね。手相を見る島田秀平さんと仕事をしたとき、ある芸人さんの手を見て、"こういうシワがある人は繊細な心の持ち主"みたいなことを言ってて。"あ、たしかこのシワ、大ちゃんにもある!"って(笑)。繊細でいろいろ悩んだり、考え込んだりするからこそ、人の痛みとか気持ちがよくわかるんだろうなって」

 

 

 

 

-高木くんはすごい変わったよね。

「そうだね。今、高木はみんなから素直とかピュアって言われてるけど、トガってた時期だって、その素直さがあったからこそ、今の高木にたどり着いたんだなって思う。うん」

 

 


-高木くん、「光くんが同じヘアサロンに通おうとするから困る」って笑ってたよ。

「そうそうそう(笑)たまたま最初は一緒になって。雄也ってオフは地元の友だちと遊ぶタイプなの。だから美容院って共通点を持ってると、話題が少なくともひとつはできるなと思って。そしたらどうも店を変えたらしくて、"高木、どこ行ってんの?"ってさりげなく聞き出して、追いかけた。絶対に孤立プレーはさせないよ(笑)」

 

 

-最近の高木くんはどう?

「もともとマジメだったんだけど、ひとりのラジオの仕事が決まってちゃんと勉強してるし、いろいろ音楽を聴くようになったよ。そういう努力をする人。ラジオのスタジオが大阪なんだけど、移動時間がもったいないから、本をたくさん読むようにしてるとかね」

 

 

 


-伊野尾(慧)くんはどう?

「いのちゃんね。高木は最初トンガってた人だけど、いのちゃんの場合、あとからトンガリというか(笑)。グループに甘えて乗っかってたみたいな部分があったんですよね。9人もいれば、ダンスを少しサボってもバレないんじゃみたいな(笑)。それが伊野尾革命で変わった」

 


-そうなんだ。

「もともと責任感が強いからね。さすがに伊野尾革命が始まったころは、本当に大変そうで。ラジオの生放送直前まで寝てたりもしたからね。疲れてんだなと思って寝かせてあげて、俺だけで打ち合わせをやったり。最近はリズムができてきたのか、疲れも見せないけどね」

 


-「光くんとラジオを一緒にやれて、うれしい」って言ってたよ。

「あ〜、それ絶対に紙面を通してじゃないと言わないやつです(笑)彼は少なくとも、俺には絶対そんなこと言わない」

 

 
-ラジオで、被災者の方の手紙を読んで泣いたことがあったよね?

「あ、ビックリしました。人が本当に伝えたいことを読み取る能力が高いんですよね。人に寄り添える人。だから手紙が伝えたかったことが心にド直球に届いて、グッときたんだろうなって」

 

 

 


-最後に薮くん。

「俺、次に起こるのは薮革命だと思ってる。俺ん中で薮って本当にすごい人間だから。人間性も知識量もすごい。薮革命が起きるのが、俺は今からすごい楽しみ。いつになるかの問題で起きるのは間違いないから」

 

 

-関係は長いのに去年初めてふたりで、ごはんに行ったんでしょ?

「うん、初めて行った」

 

 

-今まで行かなかった理由って?

「"やぶひか""やぶひか"言われてたからだよ。なんか恥ずかしかった。プライベートでもずっと仲よかったらさ、気持ち悪いじゃん(笑)。でも、なんかオリエンタルラジオさんと仕事をしたりして、おふたりは仕事以外も仲がいいんですよ。そういう関係を見て、なんか俺の中のスイッチが変わって"薮、メシ行こうよ"って誘ったと思うんですよね。俺が予約したごはん屋さんのテーブルが思ったよりちっちゃくて、ふたりの距離が近くて"気まず!"みたいな感じだったけど(笑)」

 

 

-突然、「友だちになってくれ!」って言ったんでしょ?

「なんかそれまで仕事のパートナーって感覚が強かったから。本当に本音で喋る関係になろうよって伝えたくて。そしたらなぜか、"友だちになってくれ!"って言ってた。俺、口ベタだからさ。もし薮が"うん"って言ってくれなかったらどうしてたんだって、今、思うとゾッとする(笑)」

 

 


-今年の『ジャニーズ・オールスターズ・アイランド』の事も教えて。

「薮に"光、一緒に出ない?"って声かけられて。"ふたりだから、Ya-Ya-yah、の曲歌えないかな?"って。俺、"いいね!"って即答した。このグループがあったからこそ、今の俺たちがあるんです"っていつか伝えたかったからさ」

 

 


-今、Ya-Ya-yahというグループに対して、どんなことを思う?

「感謝。それしかないです。Ya-Ya-yahというグループを作って俺を入れてくれた社長への感謝。Ya-Ya-yahを応援してくれたファンへの感謝。何よりいっしょにいてくれたメンバーに感謝してる。うん。俺と薮は、いろんな想いを背負ってJUMPになったから。"こいつらがYa-Ya-yahだったヤツら?"なんて絶対ナメられたくなかったし、Ya-Ya-yahだった俺と薮が、JUMPを引っ張るんだって一心不乱で」

 

 


-中島くん、「ふたりはJUMPになったとき手放さなくていけなかったものもあったはず」って言ってたよ。

「……それは結成直前、事務所の人からも言われましたね。"センターじゃなくなるけど、新しいこのグループのこと考えてみて"って」

 

 

-そうだったんだ。

「言われたとき、薮と俺は目を合わせてうなずき合ったんですよね。コクンって。あの瞬間の薮の表情は忘れない。一瞬だったけど、あの瞬間だけで、俺たちは長い長い会話以上の会話をした気がして。JUMPになることは、俺たちにとってどういうことか。何を背負い、何を手放さなければいけないか。一瞬でおたがい理解し合ったというか。"おまえといっしょなら"って、これから起きるだろういろんなことを受け入れて、背負おうって決意した瞬間でもあったって俺は思ってる。だって、そのあと特に話をしていないしね。話さなくてもわかるって、本当にあるよ」

 

 

-すごいね。

「まだJr.だったころ、薮が俺の家に遊びに来たことがあって。お母さんが、ふたりに会話がなくて不思議だったらしいんすよ。"なんか夫婦みたいだ"って。おなかがすくタイミングも、何かしたいタイミングもなぜかいっしょだから。でも当然って言えば当然で。小さいころから双子みたいにいっしょにいて、同じ仕事をして、同じものを見て、聞いて、感じて。ずっと見てきた景色がいっしょだからね。まあ、初対面の印象はおたがい最悪だったんだけどさ(笑)。"おまえ、名前なに?"が初めて薮からかけられた言葉だったからね。"東京のヤツってツンケンしてイヤだー"って思ったよね」

 

 

 

 

 

 

 

 


11年目は10周年に負けないライブをしたい


-デビュー後の光くんに転機があったとしたら、それはいつ?

「舞台『殺風景』はいろんな意味で大きかったです。緊張感もすごかったけど。達成感もあって。公演後、ファンレターとかで"もっとお芝居の仕事をしてほしい"って声も聞こえてきて。俺も芝居は好きだし。バラエティーや芝居、どんな道を進むべきか迷ったんだよね。地に足がつかなくてマズいなって思って"俺はどうしたらいい?"って考えて。"バラエティーおじさんになろう"って決めた」

 

 

-それってどちらか選ばなくちゃいけなかったのかな?

「選ばないといけないって思ってた。そうしないとバラエティーで吹っ切れないというか。"俺は役者だし"みたいな意識が少しでもあって、はっちゃけるのをセーブしちゃうのは絶対にイヤだったから」

 


-なるほど。

「だから『孤食ロボット』の仕事が来たとき"へっ!?"って、なんかヘンな声が出た(笑)。"俺に芝居の仕事くるの?バラエティーでキャラ崩壊してますけど、いいんすか!?"って。メンバーとお芝居するのが夢だったから、すごいうれしくて。でもぶっちゃけ『孤食ロボット』をやって。ちょっと芝居心というか、ビビってるけど『殺風景』みたいなヒリヒリする舞台もまたやりたいなって改めて思って。忘れてた……忘れなきゃって思ってたのかもしれないけど、"芝居をやりたい"ってメラメラ燃えてた気持ちが復活した」

 

 

-心変わりしたんだ。

「もっと柔軟性の高い人間になりたいなって。"バラエティーおじさんになろう"って決めたときみたいに、振りきらなければ生きていくことができない人間じゃなくて、芝居の仕事が来てもビックリせずに"頑張ります"って自然体で言える人間になってたいなって。何かをするために何かを犠牲にしなくてもいいって思えるようになったのかもしれない。イジられるようになったのも、おバカキャラも、いろいろ受け入れられるようになったのも、そういうことなのかもしれない。」

 

 

-いいことだと思うよ。

「単純にやりたいことが増えたんです。ほんと最近、『ヒルナンデス!』のプロデューサーさんに、"南原さんのとなりをめざさないと"って言われて。"あ、そっか"っていろんな点と点がつながって。昔、JUMPはツッコミやまとめ役がいない"って言われたことがあって。ガヤのポジションばっかやってないで、仕切りのポジションもできたら、俺だけじゃない、JUMPのやれることの幅も広がるよなって。それに、もったいないじゃん。俺は『ヒルナンデス!』でバラエティーって楽しいって改めて教えてもらって。JUMPの番組でも、収録が終わったときメンバーに"楽しかった"って思ってもらいたいんだよね」

 

 


-「名前の由来は、自分じゃなくて誰かを輝かせる灯になるように」って以前、教えてくれたよね?

「うん。今だって思うよ。メンバーがもっともっと輝きますようにって。ダントツに誰か目立つグループの形もあると思うんです。でも全員がすごいSMAPみたいなグループになりたいんですよね」

 

 

 

-じゃあ10周年以降、これからどうなっていきたいか目標ってある?

「いろんな人に9人、それぞれの名前を言ってもらえるようになりたい。これってデビュー当時からの目標だから、まだかなえられてないってことでもあってくやしくもあるけどね。ただ、今JUMPで"10周年だ、よっしゃー‼︎"って大満足してるメンバーは、ひとりもいない。それがいいなと思ってて。貪欲に11年目は10周年に負けないライブをやりたいし、常に去年の自分たちに負けないグループになってたいから。薮と"11年目、どうする?"って、よく話すんですよね。じつはいちばんむずかしいよねって。いろいろ考えてるんで楽しみにしててほしいです」

 

 

-JUMPのファンは幸せだね。

「本当に世界一幸せにしたいからね。JUMPを10年支えてくれた人もいる。もっと前Jr.から俺たちを見てくれていた人たちもいるんだから。コンサートとかで"『ザ少年倶楽部』とかで見たことある!"とか覚えてるしね」

 

 

-そんな記憶もあるんだ。

「あるあるある。だって、最初に手紙を渡してくれた人の顔も覚えてるもん。あの会場にもいた人だとかいろんなファンの顔を覚えてる。だから"うちわ変えてきたね"とかわかる(笑)」

 

 


-じゃあ、光くんにとって、JUMPってどんな存在?

「ないとだめな存在ですね。なくなったら、自分の存在価値がなくなっちゃう。それくらいデカい存在。」

 

 


-伊野尾くんみたいに、「紙面通さないと言わないこと」って光くんにもある?

「あるよ。やっぱり"ありがとう"って言葉は、なかなか面と向かっては…。俺はずっとグループを引っ張らなきゃって思ってた。口うるさいから息苦しく思ってたメンバーもいたと思う。でも、いつからだろう、メンバーひとりひとりにいろんな仕事が決まるようになって、自分のことのように"やったー‼︎"って喜んでる自分がいた。なんか気づいたんだよね。」

 

 


-どんなことに?

「大変な時も、ツライときも、どんなときだってとなりにいてくれたのはメンバーだって。俺が支えてたんじゃないよ。俺がメンバーに支えられてたんだよ。だから支えられるだけじゃない、俺もメンバーを支える存在でいたい。それが今の俺の最大のモチベーション。きっと直接言うことはこれからもないけど、この場を借りてメンバーみんなに言わせてよ。"支えてくれてありがとう"って。」